認知症の症状には徘徊、幻覚、妄想、などがあり、ひどい時には暴言や暴力をふるうこともあります。一時的に症状が落ち着いたとしても治ったわけではないため、これがほぼ毎日のように繰り返されます。
介護のプロであっても苦労するため、介護に慣れていない人であれば尚更ストレスが溜まるものです。しかし、ここで認知症の人に対して厳しく接したり、介護を放置してしまえば症状が悪化してしまう恐れがあります。
認知症の高齢者のケアを行うポイントとしてまず大切なのは、本人を尊重することです。認知症になったからといって、何もかも分からなくなってしまうわけではありません。本人ができることでも「認知症だから」とやらせてあげないのは余計なお世話です。できることを積極的にやってもらうことで本人の自尊心が高まる上、リハビリにも繋がります。そこでもし失敗しても決して責めずに、やってみたことを褒めましょう。
また、認知症の高齢者をサポートする際は、よく観察して行動を把握することも大切です。実際、認知症になると、表情や感情の管理が乏しくなる場合があります。しかし、何かしらサインは出しているもの。トイレに行きたい時は体がソワソワしていたり、喉が渇いている時は口をパクパクさせるなど人それぞれサインがあります。そのため、しっかり日頃から観察するようにし、些細なサインでも見逃さないようにしましょう。
認知症の高齢者をサポートすることは、とても大変なことです。高齢者がすぐに物事を忘れたり、言うことを聞かなかったり、暴言を吐いたりと、手に負えず時には傷つくこともあるでしょう。そのため、介護者自身のケアも必要だといえます。困った時にはすぐ周囲の人に頼り、自分の負担を減らすことも考えましょう。